令和4年4月 札幌市に『公立夜間中学』が開校(予定)します。
ただ今、より良い学校づくりに向け、「札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)」について、
市民の皆さまからのご意見と併せて校名案についても募集しています。
ここで、『公立夜間中学』・・皆さまご存じでしょうか。
なんらかの事情により、義務教育が未修了の方々の「学び直し」を主な目的とした「公立」の中学校です。
もう30年以上も前から、札幌市では「遠友塾」の名称で自主夜間中学としてボランティアスタッフが運営しています。
(2020年は新型コロナウイルス感染症対策のため、教育文化会館で授業を行ってきましたが、2021年1月、2月は授業がお休み、3月も1回だけとのことです。)
スタートの頃は、戦争の混乱期に、また、家庭の経済的状況などにより義務教育を受けることができなかったという時代ゆえの事情の高齢者の方々が多く通学していました。
時代が進むと、虐待や無戸籍児や居所不明児のため、義務教育をうけることができなかった成人の方々や不登校で中学校での教育課程を修了していない方などが、学び直しをしたいとこの遠友塾の生徒となりました。
平成28年に「教育機会確保法」が成立し、すべての地方公共団体で公立夜間中学が設置されることになりました。
ですが、これによりすぐさま公立夜間中学設置に大きく舵が切られた訳ではなく設置主体が札幌市なのか北海道なのか
決定までに時間を要したのは事実です。
現在でようやく10都府県に34校が設置され、各自治体で設置に向けて準備、検討が進んでいます。
そして、札幌市において令和元年度補正予算で公立夜間中学設置に係る調査費300万円が計上され、今年基本計画案ができました。
【私と夜間中学との関わり】
私が初当選させていただいたのは、2011年(平成23年)で市議となって初めて『夜間中学』の存在を知ることとなりました。
市議になりたての私に遠友塾代表(当時)である工藤さんをはじめスタッフの方々を紹介してくださったのは、今は亡き一期先輩議員であった宗形雅俊先生でした。
その後、中央区にある向陵中学校の教室の一部を使用して開かれている『遠友塾』へ同僚議員複数で視察に行ったのですが、それが今に繋がっていることは確かなことだと思っています。
初めて教室を訪れた時に驚いたのは生徒さんの殆どが高齢者の方々で、若い方は「先生役」のボランティアの方々でした。本当に熱心に学習する姿に胸を打たれると共に、長い間社会生活を営まれているにもかかわらず、実際には「読み書き」(特に漢字やアルファベット)ができないために日常生活に不便を感じていらっしゃる方が少なからずいらっしゃることにも衝撃を受けたことを覚えています。
それから私と「夜間中」との関わりは一気に増し、委員会質疑や議会への陳情のための度重なるヒアリング、教師役の大学生との交流、『夜間中学』の存在を一人でも多くの方々に伝えたい気持ちから、札幌大学の地域公開講座『西岡塾』の講師役として工藤さんをご紹介したり、インターネットテレビへの出演、ZOOMを使ってのご講演も依頼したりしました。他にも道内の自主夜間中学の交流会への参加、文科省政務官の中村裕之衆議院議員が『遠友塾』に来られた時に案内役を務めたこと等々、他にも思い出されることがたくさんあり、私でさえそうなのですから増してや工藤さんやボランティアスタッフの皆さん方のご苦労を思うと本当に頭が下がります。30年以上もの長い間、学び直しの場を担って来られた皆様方に心からの敬意を表します。
先日の文教委員会で「基本計画(案)」が示され、私も文教委員として質疑に立ちました。
ただ今、皆さま方からのご意見(パブリックコメント)と「学校名」の公募をしております。
募集期間は令和3年2月4日(木曜日)から令和3年3月5日(金曜日)【必着】まで。
詳細はこちら。
応募方法は持参・郵送・FAX・ホームページの入力ホームから、電子メールからと多くの方法が準備されています。
また、計画(案)も各まちづくりセンター、地区図書館でも配布されており、【ふりがな版】も用意されています。
学びの意欲は人生の扉をあけます。
今後についても注視してまいります。