平成26年(常任)文教委員会-09月01日
幼稚園保育料の新制度への移行を促すための施策とその実施状況を問いました。
そのスムーズな移行のために、既に新制度へ移行を決定している幼稚園の数を確認、また利用者側への保育料変更を含めた”新制度の周知”について、その予定や具体的方法の回答を得ました。
これからも利用者の立場に立った市政を推進して参ります。
札幌市の保護率は、20ある政令都市のうち大阪市に次いで2番目の高さであり、道内の都市でみても全道平均を上回っています。
ご存知のとおり、保護率も年々上昇しています。
「生活保護」について考える時、ただ単に、憲法に定めらている基本的な生活ができるよ
うに給付金を支給することばかりを追い求めていては、何の解決にもなりません。
たとえば、「就労」へとつなげることで、自立の道が開けないのか。
また、生活の不安定さは子ども達の学力問題、進学問題にも関連してきます。
そのことは、新たな貧困を生むともいわれています。
そして、不正受給の問題もあります。
生活保護問題には多方面からのアプローチが必要です。
そこで、今回の代表質問では、不正受給対策と就労支援対策について市の見解を質しました。
その答弁の概要は以下の通りです。
≪不正受給対策≫ ~実態把握について~
・生活保護受給者には保護のしおりを配布し、収入申告義務を周知し、定期的に収入申告書を提出をしてもらっている。
・年1回の課税調査
・扶養親族からの仕送りについて、定期的に照会これらの調査や、また、近隣住民からの情報が寄せられた場合も、速やかな実態把握に務めている。
不正受給については、制度に対する市民の信頼を揺るがす深刻な問題ととらえている。
≪就労支援対策≫ ~課題と今後について~
ハローワークと各区保護課による合同の就労支援チームが、早期就労に向けて集中的に支援を行っている。
その結果、平成25年12月時点では支援者787人のうち6割近い447人が就職との実績。平成26年度も引き続き、推し進めていく予定。
課題は、対象者一人一人の就労意欲や就労できない要因の状況に合わせたきめ細かい支援をいかに行っていくかである。
今年度は、区保護課の就労支援相談員を増員し、研修の機会を増やす。また、就労カウンセラーの配置などで、就労支援体制を拡充した。
第1回本会議後、この問題に関連して4月に埼玉県への視察を行いました。
埼玉県では、「アスポート事業」という生活保護受給者に対する総合的な自立支援の取り組みをしており、一定の効果を上げています。
たとえば、生活保護世帯の子ども達の高校進学に向けた支援(地域の学習教室で個別指導)や、就労に向けて、適正に応じた職業訓練の受講から再就職まで一貫した支援や、住宅の支援を行っています。
就労可能な「その他世帯」が急増していることから、自立生活に向けて行っています。
ブログでも、掲載しておりますので、こちらよりご覧ください。
生活保護受給者は対象外となりますが、厚生労働省が2015年度から施工する生活
困窮者自立支援法に先駆けたモデル事業が、今年1月から、豊平区内で行われています。
それが、市の委託をうけ、キャリアバンク(株)が運営する「生活・就労支援センターとよひら」です。
相談や必要な研修など個々の状況にあった対応ができるようになっています。
詳しくは、こちらをごらんください。
市議会では、「もっと受けやすくするために、申請用紙を窓口に置いて、誰でもが用紙を手にとりやすいようにするべき・・・」と繰り返し主張する会派もありますが、「生活保護」は基本的人権上当たり前のことであり、その先こそが、これからの大きな課題であると考えます。
生活保護の問題は、人権問題と、人が「生きる」という根源的部分、そして、支給額の財源である財政の問題がからんでいます。
状況が個々に異なる個人的な問題であり、それは、家族の問題でもあります。
世帯での子どもの育ちの問題であり、地域や社会で育む子ども達の問題であり、また、経済的財政的な問題であり、税の問題でもあります。
人権オンリーで語られる問題ではなく、先進国故の現代社会のあり方が問われている今日的課題であり、札幌市が「道都」だからこその課題なのです。
「福祉のまち推進事業(通称福まち)」は、平成7年にスタートしてから19年が経過しました。
昨年、この事業をさらに強化するため、3区(西区・東区・清田区)の3地区を先行地区とし、『福まちパワーアップ事業』を行っていました。
そして、今年度、さらに7区7地区を選定し、すでに行われている地域と合わせて合計10区10地区で展開されようとしています。
委員会質問に先立ち、すでに行われている西区で状況聞き取りに伺いました。
この事業への期待は大きく、保健師さんへの相談件数もふえているとのこと。
しかしながら、その専門性を最大限にいかしてほしいとの希望も聞かれました。
委員会では、先行地区での取り組み状況やその成果や課題、今後の展開について質問しました。
市の方針や事業内容には「顔の見える関係づくり」「地域の力を引きだす」
「地域の自主性を尊重」「地域課題の把握」といった文言がならんでいますが、そのためには、各地域に入り込んでいくことが必要です。
市がとらえる課題の中でも、「本来業務と関係の薄い事柄にも関わりが求められ…」と会議や行事に参加することを求めています。
しかしながら、保健師からの報告内容には、業務内容の多忙により、地域に入り込む時間がとれないとの反省点もでてきています。
市と地域、関係機関などの連携を深めるところに、この事業のポイントがあるのならば、市民サービスの大元である市のバックアップ体制が重要になるはずです。各地域の方々は、日々尽力されています。
負担感、やらされ感を背負わせることがないよう、連携の重要性を問い、市の考えを質しました。
☆(福まち推進事業とは)
住み慣れた地域で誰もが、いきいきと安心して暮らすことのできる社会を実現するため、地域のボランティア団体や住民の方々が参加して、高齢者の見守り、安否確認、また、子育て支援や交流事業などを行うもの。
実際、地域の実情に合わせて、各地域では様々な活動が行われています。市民、地域、行政がそれぞれの役割を担いながら、自助、共助、公助で推進していこうというものです。
☆(平成25年度パワーアップ事業の内容 )
区保健福祉部の活動推進担当係長と保健師2名での地域支援チームが、社会福祉協議会やまちづくりセンター、民生委員、児童委員、地域包括支援センター等 の関係機関とのネットワークを強化し、事業に取り組めるよう支援。