REPORT活動レポート

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「リンゴ」を守る ~環状通リンゴ並木~

明治の始めころ、北海道開拓の父ケプロンの「りんごは寒地でもよく育つ」との提言により、道内各地でりんごの苗木が配られました。
札幌市内でも多くのリンゴ園があり、昭和11年頃には、「平岸りんご」の名で、ロシアやシンガポールなどにも輸出されていました。

しかし戦後、急速な都市化が進み、りんご園は徐々にその姿を消していきました。
1974年 昭和49年、かつてりんごの生産地だった当時の様子を現在に伝えるため、環状通の中央分離帯約1.1kmに「りんご並木」が誕生しました。

ところが、並木誕生の翌年、1975年昭和50年、初めて実をつけた1週間後に、約300個のリンゴがすべて盗まれるという事件が発生しました。
この事件を受け、リンゴ並木を守るために活動が開始されたのが、『美園リンゴ会』。1976年昭和51年のことです。

その後は、「りんごまつり」が開催されたり、美園地区にある美園小学校では、毎年児童による袋掛けなどの各種作業も行われるなど、
「りんご」は地域の輪をつくり、賑わいや教育など区民にとっても、
区にとっても象徴的なものになっています。
ちなみに、豊平区のキャラクター「こりんとめーたん」の
「こりん」のモチーフは「リンゴ」です。

ところが、昨年、一昨年と2年連続で盗まれるという事件が発生しました。
昨年は約400個、 その前の年には約1000個・・・という数です。
『美園リンゴ会』も豊平区役所でも、これまで様々な対策を講じてきましたが、それにも関わらず2年連続の盗難事件でした。

今も昔も盗難の危機にさらされているリンゴ並木。
私から、リンゴを守るため「防犯カメラの設置を!」と当時の豊平区長に“直談判”したのは昨年11月。
豊平区は、今年1月には、
 「令和6年度 環状通リンゴ盗難対策」を策定。
▶ 新規対策として、3カ所の防犯カメラ設置。
▶ 既存対策のレベルアップとして以下5項目。
① テグス対策の追加 7本→10本
② 立ち入り禁止テープの三重巻き 計28本・・成木を中心に二重から強化
③ 盗難禁止張り紙の多言語化 全82本 日・英語の他に、中国語、韓国語も追加
④ 職員及び学生ボランテイアによる巡視の強化
⑤ 周辺町内会等への啓発強化

収穫時期を迎えた9月10日、予定設置3台のうち1台の防犯カメラが設置されました。
9月12日には、豊平警察署・美園リンゴ会・豊平区役所での「合同パトロール」が実施され、私も参加してまいりました。
この後、防犯カメラはもう2箇所設置される予定です。